車の盗難 傾向と対策

in U.S.A.



いつものように車に乗り込もうと車に向かうもののあるはずの車が消えている。別の場所に置い たかな、と、あたりを探してもなく、記憶をたどってもやはりここに置いたはず・・・・なんてことがアメリカでは時として起こります。日本での盗難は特定の車種を狙ったものか、もしくは鍵をさしっぱなしなどあまりに無防備な車がねらわれることが多いと思います。最近では日本でもセキュリティーに対して目が向けられるようになりましたが、まだまだごく一部の車に普及するのみで不十分のようにも感じます。

[アメリカでは]
転売を目的とした本気の盗難のほか、単なるその場の足としての盗難までいろいろあるわけですが、車種や車の程度は盗難と関係ありません。私のはオンボロだから・・なんてたかをくくって無防備でいると狙われかねません。

車の盗難の多いアメリカでは、標準で盗難防止装置がついていたり、アフターマーケットでアラームを取り付けることが普及しています。その他、Club と呼ばれるハンドルをロックするバーを使っている車をよく見かけます。

簡単にはずされちゃいます・・・
よくみかけるハンドルロック "Club"

二股の開き方が小さい方が効果的です。この商品は開きすぎ!?。
引っ掛ける部分が二股に分かれて4点支持の商品
上の商品よりは時間稼ぎになります。

右ハンドルには使いづらい・・・
ステアリングを鉄製カバーで覆ってロックするタイプのハンドルロック

同様の製品は日本でも売られていますね。この製品には一応盗難保険もついていますが、万一の時支払われるのは数万円程度です。では、この Club (一番上の写真の商品) がどれくらい役に立つかといえば・・・それほどでもありません。あくまでも「心理的」効果がメインです。なぜなら本気で盗みにくる場合、あっさりはずされてしまうからです。ちなみに日本でその場の足として車を盗む時は鍵をかけっぱなしの車などでしょうが、アメリカの場合、この Club をつけている車が「足」として盗まれることもあります。似たような製品に、二番目の写真に見られるような4点支持の製品もあって、こちらは2点支持のものより無理矢理外すのに時間を要するかもしれません。最近よく見かけるものにステアリングのグリップを挟み込んでステアリングホイールに対して垂直にバーを延ばしてハンドルロックする商品を見かけますが、あの商品も一本棒のClub (二点支持) となんら変わりなくはずされると思います。その他に、ステアリングホイールの大部分を鉄製のカバーで覆った上でClubのようなロックをするタイプ (三番目の写真のような商品) のものもあり、この場合は通常のClubのようには簡単に外せないと思いますが、どこかに盲点があるのではないか・・・と疑っています(笑)。さらに、ブレーキペダルのロッドを挟み込んで鍵でロックしてしまう (引っ掛けるだけではない) 商品があり、この場合は普通の Club ほど簡単にははずせないので時間稼ぎになるでしょう。

要するにこの手の商品はあくまでも時間稼ぎ用、もしくは心理効果を狙っただけのものと考えた方が良いです。

[いかに防ぐか]
イモビライザーが付いていれば乗り逃げに対しては安心かもしれません。盗難防止用のアラームをつけていれば安心できるようですが、単なるアラーム機能のみの場合は配線を切られればそれまでですし、また、アラームに対して周囲 が注意を向けなかければ意味がないようにも思えますが、盗む側にとっては心理的負担やリスクを伴うことは確かです。できればエンジンの始動を防げるもの(イモビライザー)が望ましいようです。それが無理なら前述の Club を使用するべきです。ただ先にのべましたように、この Club も、その気になれば簡単に外されてしまうわけですが、無いよりはましです。盗む側に少しでも「面倒だ」と思 わせること、手間を取らせる事が大切で、盗む側にわずかでもリスクを負わせる状態にしておくことです。なぜなら、カモは他にいるのですから。できれば、アラームを設定した上に Club も使用するなど二重、三重の構えで防ぐことが理想的かもしれません。

敏感なアラームは車体に触れるまでもなく、近くで車のドアを閉めたりするだけで鳴り出すくらいです。あえてそういう車の近くに駐車しておくのもよいかもしれません(笑)。ただ、日本でここまで敏感にしておくとかなり近所迷惑になってしまうわけで、なかなか使いにくいかもしれません。

アメリカのアパートメントのゲートつきの駐車場はリモコンや、鍵がなければ人も入れない構造になっていますが、そんなゲート内から盗まれることもあり必ずしも安心はできません。また、当然のことながら、ゲート内で人目につかない場所よりは、ゲートの外でも人目につく場所に停めたほうが盗まれにくいということもあります。ただし、私の知り合いに、家の目の前、しかも部屋の窓の目の前に止めていた自分の車が朝方に音もなく持っていかれた・・・という経験をした人がいて、相手が本気でやってくればどこにとめていようが関係ないという良い例です。以上の話は危険な地域に限った話ではなく、一般に安全とされている地域においてもハイウェイなどで乗りつけやすい地域においては起こり得ることです。

こちらの警察や車屋の話では、いかなる盗難防止装置をつけようともプロが本気で狙ってくれば必ず持っていかれるそうです。そんなわけで、アメリカにおいては「車両保険」は事故の際だけではなく、盗難に対する備えとして大切かもしれません。また、万一の場合は台車のレンタカー代も肩代わりしてくれます。アメリカで車を盗まれた場合、保険屋は1ヶ月は盗まれた車を探すようですが、1,2週間たっても出てこない場合は一般的には絶望的なようです。

ちなみに、アメリカにおいては盗難対策のアラームは主にカーオーディオショップで$150〜$400、さらに物によってはさらに高額な値段で扱われているようです。

[カージャック]
アメリカでもカージャックが頻発しているわけではありませんが、危険な場所では時として起きるようです。
アメリカとの国境に面するメキシコのティファナという町(私の住む街から20〜30分ほどのところ)で日本人が犠牲になった一例です。 この方は観光でこの町を訪れていたわけではなく、ティファナにある日本企業に毎日アメリカ側から通勤していた人のようです。車で信号待ちをしていたところを襲われ、頭を打ち抜かれて犠牲になっています。

このケースではたまたま前後左右を他の車で囲まれて身動きできない状態で信号待ちをしているところを狙われています。しかし同じ状態の車はほかにもあったのになぜこの車が狙われてしまったか、この車が金目の物を積んでいたとか、高価な車だったからではないようです。犯人が後に語ったところでは 「その車の窓が開いていたから」 だそうです。たったそれだけの事ですが狙う側からみれば大きなスキなわけです。万一危険な地域に足を踏み入れるような場合には注意が必要です。 

カージャックではアメリカの上をいくメキシコで最近カージャック対策として携帯電話を利用して車のエンジンをストップさせるシステムが発売されました。万一カージャックされても遠隔操作で車を止めてしまう、というものです。しかし、カージャックの場合は車だけでなく身包みはがされるのでほとんど意味が無い、というのが街の評判のようです。

なお、古い記事になりますが、アメリカにおける車盗難の現状をレポートしたCNNの記事をリンクしておきます。
FBI relies on Web interface to bust car theft rings
Hondas, Toyotas top most-stolen-car list
Car thief's wish list: Accord, Cutlass, Camry
The 25 Most-Stolen Cars in 1995

以上、いかにも「アメリカは危ない」という感じになってしまいましたが、適切な対策をとっていれば大抵の場合は何事もなく過ごせますし、日々危機感にさいなまれて生活しているわけでもありません。ある程度の予防策を施しておけば防げる犯罪も、無防備であるがゆえに誘発することは日本でもアメリカでも同じです。ただ、アメリカの場合、その「ある程度のこと」が日本より多かったり、そのレベルを上げなければいけないのは事実かもしれません。

なお、こちらは車の盗難を扱った、お勧めのページです。とても詳しく解説されています。ぜひご覧ください。

とても参考になります

2001年4月更新


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